貴方は細くふるえた私の肩をだいて
駅への道を歩き続けた
最後の夜に知った貴方のやさしさが
かじかんだ体に伝わつてくる
冬の風に とぎれだ言葉を
一人で残る駅にうずめて
もうすぐ春が顔を出します
私の心をかばうように
改札ロに消えた貴方の後姿
いつまでも立ちすくむ 私の姿
おこらないのかいつて 私に聞いて
何度もふりむいた貴方が消えた
冬の風はいつやむとなく
一人で帰る私を廻る
もうすぐ春が顔を出します
旅立つ貴方を見守るように
冬の風は貴方のまねをして
一人で暮らす窓をたたいた
もうすぐ春が顔を出します
めぐる明日を諭すように
もうすぐ春が顔を出します
めぐる明日を諭すように