一、
失ったのは 夏至の日だった
線路ばたの あじさいが
瞳に 灼きついた
あの日から あなた求め
浮雲に 行方たずね
放浪は 今日も明日も続くけれど
帰るとこは あなただけと
胸に決めて 女ひとり生きているの
コートをまとい 降りたつ駅に
つけまつ毛を かじかませ
木枯しが舞う
二、
捨てられたのは 寒の日だった
傘をたたく 初雲が
手に しみこんだ
あの日から あなた求め
くれないに 息を染めて
放浪は 朝な夕な続くけれど
帰るとこは あなただけと
胸に決めて 女ひとり生きていくわ
いつも……