一、
はげしくもやした 二人の愛を
冷たくひきさく 出船の汽笛よ
帰って 帰って もう一度
霧よお前に 心があれば
あの船だけは 消さずにおくれ
あゝ むけび泣く 瀬戸の霧
二、
女のよろこび おしえたあなた
いまさら一人じゃ 生きられないの
帰って 帰って もう一度
風よお前に 心があれば
私の声を 伝えておくれ
あゝ むせび泣く 瀬戸の風
三、
どんなに泣いても もどらぬ人を
今日も港で 待ってるわたし
帰って 帰って もう一度
雨よお前に 心があれば
泪の顔を 洗っておくれ
あゝ むせび泣く 瀬戸の雨