一、
そぼふる雨に 心も濡らし
傘もささずに 巨福坂を
のぼりつめたら 建長寺
あゝ あなたと訪ねた 鎌倉は
あじさいの香る 季節でした
あゝ あなたの面影求めて一人
二、
見知らぬ人の 流れのままに
雨の参道 若宮大路
たどりついたら 鶴岡
あゝ あなたと歩いた 石だたみ
一人にゃ 遠く感じます
あゝ あなたの面影求めて一人
三
暮れゆく 深い木立を濡らす
昨日つづきの あじさい雨が
下駄のはな緒に しみてくる
あゝ あの日は はずんだ足どりも
今じゃ重たい 化粧坂
あゝ あなたの面影求めて一人